【英語のギモンを理解する vol.1】英語と日本語における「難しい」言葉遣い
これは単語や文法を覚えるだけの勉強をしているとあまりもたない視点だと思いますが、実は英語にも歴史があって、昔は現在とは違った形で表記・発音されていたのです。国内での言語形態の変化や、ほかの言語からの影響も受けたりしながら、現在の形が作られました。
日本語もむかしは、「あながちにかかづらひたどり寄らむも、人悪ろかるべく」とか「左府以内記令覧宣命」とかって書いたり話したりしてましたよね。それが長い時間の中で変化したり、ほかの言語から新しい言葉が入ってきたりして、現代の日本語が成り立っています。それは英語も同様なのです。
英語の単語に関していえば、おおざっぱにいって、①10世紀ごろまでに現在のイギリスに定着した人々(ケルト系やゲルマン系)が話していた単語に由来する語と、②10世紀以降に主にフランス語から入ってきた単語に由来する語、③ギリシア語・ラテン語の単語に由来する語の3つに大別できます。
▶①の例
・go
・book
・time
▶②の例
・beautiful
・enemy
・flame
▶③の例
・attractive
・donation
・assistance
日本語でいえば、①が和語(なげる、あたたかい、かわ、など)②・③が漢語(温暖、過程、採取、など)といったところでしょうか。日本語では和語が多い文より漢語が多い文のほうが難しくて高度な内容であるような印象を受けると思います。「きょうは晴れているが波に気をつけなければならない」「本日は晴天であるが波浪に注意しなければならない」。
面白いことに英語でも①の単語より③の単語のほうが高尚で難しそうな響きを持つそうです。日本語の事情と似ていますね。有史以来、日本の文化の中で規範とされたのはおもに古代中国でした。イギリスでも規範となったのは古代ギリシャやローマだったのです。特に日本語の歴史を学んだわけでもないのに、歴史がわたしたちの言語感覚を規定してるのは不思議な感じがしますね。
ここまで書いて、「では中国やギリシャ、イタリアではどんな言葉遣いが難しくて高度な内容であると感じられるのだろう?」という疑問が浮かびました。気になった方は調べてみて、是非私に教えてください。
参考文献
・唐澤一友「世界の英語ができるまで」亜紀書房
・堀田隆一「はじめての英語史」研究社
・http://user.keio.ac.jp/~rhotta/hellog/index.html
小学生
中学受験全教科・英数の中学範囲
先取りに対応。
なぜ?どうして?を大切にする、好奇心を伸ばす教育を行います。
中学生
松本深志・伊那北をはじめとする上位校対策が充実。
5教科+論述力の総合的な指導で、
近年難しくなっている県立高校入試にしっかりと対応。
高校生
国公立・難関私大志望者向けの
ハイレベル指導。
授業以外にも、日頃の勉強や受験校決定など
幅広くサポート。
“【英語のギモンを理解する vol.1】英語と日本語における「難しい」言葉遣い” に対して1件のコメントがあります。
コメントは受け付けていません。